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小児整形外科

 当クリニックでは、小児運動器疾患指導管理医師である院長が、小児のけがや成長過程での障害・病気を、専門的に診察致します。
 小児整形外科は、成長期にあるお子様を対象とした小児専門の整形外科です。小児特有の疾患は、一般整形外科ではなく、小児整形外科に詳しい専門医が診療した方が好ましいことが少なくありません。
 骨や筋肉が成長過程にある小児のけがや先天性の病気は、成長障害などが残らないように、早期発見・早期治療が必要な場合があります
普段と手足の動きが違う、左右で動きが違う、歩き方が気になるなど,少しでも心配な点がありましたら,是非ご相談下さい。
長年大学病院で小児整形外科の専門的治療を行ってきた経験をもとに、きめ細かい的確な診断・治療を心がけています。
大学病院との連携も行っていますので、必要時には紹介も致します。
加えて、乳幼児検診や学校健診で指摘された側弯症の診断なども行っています

病気とけが

側弯症、上腕骨顆上骨折、肘内障、強直母指(強剛母指)、オスグッド・シュラッター氏病、先天性内反足、O脚、X脚、発育性股関節形成不全、若木骨折、成長痛

主な小児整形外科の外傷・障害

1)側弯症

 背骨が左右に弯曲した状態の病気です。
小学校高学年から中学2年生くらいまでの女の子によく見られます。
全体の6、7割が、原因不明の特発性側弯症です。
 診断は、左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、肋骨や腰部の隆起などの診察とレントゲン検査で行います。
弯曲が軽いときは、レントゲン検査で、進行具合を確認していきます。
 治療は、弯曲が強い時は、装具療法や手術などの治療を要することがあります。
検診で側弯症の疑いを指摘されましたら、お気軽にご相談ください。
成長期に弯曲が進むことが多いため、整形外科専門医の診察が必要です。

2)上腕骨顆上骨折

 転倒や転落などで手をついて受傷する肘部の骨折です。
小児の骨折で最も頻度の高い骨折です。
 症状は、肘の激しい痛みとはれ、痛みのために肘が動かすことが困難です。
骨片で神経や血管が損傷された場合や、肘がはれることで神経や血管が圧迫されると手や指がしびれて動かせなくなることもあります(フォルクマン拘縮)。
 診断は、痛みの部位の診察とレントゲン検査で行います。
 治療は、骨折のずれが軽い場合は、三角布、ギプス固定を行います。
ギプスがはずれたあとは、関節可動域訓練や筋力強化のリハビリテーションを行います。
骨折のずれが大きい場合や、神経、循環障害がある場合は、時間を置くと、もとには戻らなくなるため、緊急手術を要します。
お子さんが肘をけがされた場合は、至急整形外科専門医の受診をお勧めします。

3)肘内障

 5歳以下の子供が、手を引っ張られた後などに、痛がって肘を曲げて腕を下げた状態で動かさなくなるけがです。
原因は、肘の骨が靭帯から半分はずれて(亜脱臼)生じます。
 症状は、肘の痛み,痛みのため、腕をあげようとしないことです。
 診断は、受傷時の問診と肘を曲げて腕を下げた独特の状態で診察します。
骨折や脱臼との鑑別のために、レントゲン検査で骨や関節に異常がないことを確認することもあります。
 治療は、すぐその場で徒手整復を行い、もとに戻します。
整復後はいつもと同じ生活が可能です。
以後、手を引っ張ることで繰り返すこともあるので、注意が必要です。

4)強直母指(強剛母指)

 乳児の頃、母指の第1関節が曲がったまま、家族が伸ばそうとしても伸びにくいことに気づくことが多い病気です。
原因は、生まれつき、指の付け根の腱鞘の大きさと指を曲げる腱の太さのアンバランスとされています。
 症状は、母指の付け根の部分にしこりが触れますが、あまり痛がりません。
 治療は、手の外科の専門医の指導の下で、家族による毎日の特別な母指の曲げ伸ばしのリハビリテーションを行うことをお勧め致します。
当クリニックでは、手の外科の専門医の院長が診察致します。
手の成長とともにほとんどの方が自然治癒しますが、小学校に上がるまでに改善しない場合は、手術を要することもあります。

5)オスグッド・シュラッター氏病

 膝のお皿の骨の下にある骨が出っぱって痛みやはれが生じる病気です。
繰り返しジャンプやボールをけるスポーツなどをする小中学生に多いです。
原因は、お皿の骨とすねの骨をつなぐ腱が、すねの骨との付着部で引っ張られて、付着部の成長線が剥離して生じます。
 症状は、膝のお皿の骨の下にある骨の出っぱっり、痛み、はれと、走ると痛みが生じます。
 診断は、痛みの部位の診察とレントゲン検査で行います。
 治療は、スポーツを控えること、局所のアイシング、外用薬、リハビリテーションを行います。
休むと痛みはありませんが、すぐスポーツをすると痛みが再発しますので、骨が落ち着くまで、きちんとスポーツを控える必要があります。
成長期の病気なので、成長が完了するとほとんど痛みがなくなります。
予防には、大腿四頭筋のストレッチングが有効で、当クリニックでも行っております。

6)先天性内反足

 出生時から足が内向きにねじれて変形した病気です。
男児に多く、約半数は両足で、生後の検診で診断されることが多いです。
 診断は、足の変形をみる診察とレントゲン検査で行います。
 治療は、そのままにすると普通の歩行が困難になる可能性がありますので、早期から矯正ギプスなどを始める必要があります。
矯正されない場合は手術を要することがあります。
当クリニックは乳児検診も行っておりますので、早めの受診をお勧めします。

7)O脚、X脚

 O脚は、内反膝とも言われ、両足をそろえて立った時に、両膝の間が開いている状態で、がに股のように両下肢がOの形に見えます。
多くが、2歳くらいまでは生理的に軽いO脚で、成長とともに自然に矯正されますので、経過を見ます。
歩き始めた頃にO脚が目立つ場合は、くる病などの可能性もあります。
 一方、X脚は、外反膝とも言われ、両膝の内側をそろえても、両足は離れている状態で,両下肢がXの形に見えます。
多くが、O脚の時期から逆に、2歳頃からX脚となり、成長とともに自然に矯正され、7歳頃には成人の脚になります。
7歳以降にX脚がある場合は病的な疾患をチェックする必要があります。
 診断は、年齢不相応のO脚やX脚がないかを診察し、レントゲン検査で異常がないかを確認します。
病的なO脚・X脚には、くる病を含む内分泌性疾患、骨系統疾患、外傷などがあります。

8)発育性股関節形成不全

 先天的に股関節が不安定で、出生時に脱臼していたり、緩みのある股関節に対して、両下肢を伸ばしたままオムツをするなどの何らかの育児習慣により脱臼する病気です。
以前は、先天性股関節脱臼といわれていました。
 女児に多く、診断は、乳児検診において、股関節の開きが悪く、脱臼感があり、大腿のシワが非対称であることを指摘され、レントゲン検査や超音波検査で確認します。
 治療は、まずは股関節装具を行い、改善しない場合は,入院、手術治療を要することもあります。

9)若木骨折

 小児の骨は大人と比較して柔らかいため、外力が加わってもポキッと骨折せず、若木が曲がったような状態になり、これを若木骨折といいます。
手首の骨折に多く、小児の腕は脂肪が多いので、はれても目立たず、痛くてもうまく自分から訴えられないこともありますが、触ると痛いのでわかります。
 診断は、診察とレントゲン検査で行います。
 治療は、多くが骨折のずれが軽度で、整復とギプス固定、安静、アイシング、リハビリテーションを行います。
大きな変形やずれがあり,自然治癒が難しい場合は、手術を要することがあります。
骨折部が成長線に及ぶ場合、成長障害や変形が残存することもありますので、早めの整形外科専門医の診察をお勧めします。

10)成長痛

 成長期(幼児期、学童期、思春期)の子供が、膝の周囲などを特に夜間に痛がる病気です。
日によって、痛みが右左様々で、膝をさすったりしていると落ちつくことが多いです。
一時的な痛みが月1~2回、週1~2回など、不定期にあり、昼間や遊んでいるときは痛がらない特徴があります。
 症状は、痛み以外ははれも熱感もなく、レントゲン検査でも異常がありません。
原因はよくわかっていませんが、成長するにつれて改善していきます。
なお、医学的に骨の成長により痛みが発生することありません。
まれに、骨腫瘍、関節炎などの病気のこともありますので、数週間続く場合はクリニックの受診をお勧め致します。

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