関節リウマチとは

　当クリニックでは、日本整形外科学会認定リウマチ医を取得している院長が診察致します。
　関節リウマチは、関節の滑膜に炎症が生じることで軟骨や骨が破壊され、関節の機能が障害され、治療しないと関節の変形が進行してしまう病気です。
初期には、手の朝のこわばりや関節の痛みがありますが、病状が進むと、様々な関節の腫れや動作時のつらい関節の痛みが生じるのが特徴です。

　病因としては，体内に侵入した病原菌を退治するはずの免疫機能に異変が生じ、自分自身の健康な組織を攻撃してしまい、手足の関節が腫れて変形が生じて痛み出る自己免疫疾患と考えられています。
関節以外にも、微熱や倦怠感、食欲不振などの症状も伴い、血管、心臓、肺、皮膚、筋肉、脊椎などの全身の様々な部位に病変が及ぶこともあり、日常生活に支障が生じてきます。
そのため、関節リウマチの診断と治療は、一般整形外科とは異なる専門的診察を要します。
　現在日本には、関節リウマチの方が100万人近くいるといわれています。女性が男性の約4倍多く、30～50歳の方に多いといわれています。
両方の手指の第2関節や拳の関節に痛みや腫れが出るのが典型的ですが、一方の膝だけというように，単関節型のリウマチも知られています。
　早期に診断し適切な治療を行えば、症状をコントロールして関節破壊などの進行を防ぐことが可能です。
しかし，一旦関節の骨破壊が生じると、急速に変形が進行することがあります。このため、関節リウマチのご心配がありましたら、早めにリウマチ専門医の診察を受けることをお勧めします。

診断

　当クリニックでは、リウマチ専門医が、症状、現在までの経過、血液検査、レントゲン検査から、総合的に診断します。また、関節リウマチと類似した症状を起こす他の病気もあり、それらとの鑑別を行います。
　薬物治療中は、定期的に血液検査、X線検査、尿検査などを行い、炎症の有無やその程度、治療効果、副作用の有無をチェックすることで、より効果的な薬物治療を行っていきます。

薬物治療

　関節リウマチと診断されたら、すみやかに薬物治療を開始します。
具体的には、過剰に反応している免疫を抑える免疫抑制剤などの抗リウマチ薬、炎症を抑える非ステロイド性消炎剤やステロイド剤、生物学的製剤を用います。
症状が改善しなかったり，体に合わなかったりする場合は、薬の増量や変更を行います。
　関節の痛みが強い時には、関節内注射を行うことがあります。ステロイド、ヒアルロン酸の注射を状態に応じて使い分けます。
　現在は、リウマチの進行を抑えるための様々な新しい生物学的製剤が開発されており、炎症・腫脹の抑制のみならず、関節の変形を抑え、痛みを上手にコントロールしながら日常生活を過ごせるようになってきています。
関節リウマチは、関節の変形や破壊が生じる前の初期症状の段階で治療を開始することが重要ですので、少しでも気になる場合は、お早めにご相談下さい。

リハビリテーション

　近年、リウマチの進行を抑える薬の開発されているため、関節の変形や破壊を防ぐことが可能になってきました。このように関節機能が温存できるようになった現在，これからは関節を如何に早期に回復させ，安定した日常生活を持続させれるかが、リハビリテーションの大きな役割となってきます。
薬物治療だけで、関節を動かさないでいると、関節が固くこわばってしまうことがあります。
継続的に関節の可動域を保ち、筋力低下を防ぐためには、理学療法士による可動域訓練、筋力訓練といった運動療法がとても重要で，当クリニックでは力を入れている治療の一つです。

手術

　薬物療法やリハビリテーションでも痛みや腫脹が改善しない場合や関節の動きが悪くなり、関節の変形や障害のために歩行が困難になるなどの日常生活に支障をきたしている場合は、手術療法が必要になることがあります。
具体的には、異常に増えた滑膜を切除する滑膜切除、関節の破壊が強い場合は人工関節置換術や関節固定術、手指の腱が切れてしまった場合は腱移行術などがあり、提携している総合病院や大学病院の関節リウマチの治療経験が豊富な医師へ紹介いたします。