首・肩の痛み、しびれ
以下のような症状・病気にお悩みの方はご相談ください
症状
- 首の痛み
- 肩の痛み
- 肩こり
- 肩の引っ掛かり感
- 腕が上がらない
- 腕の痛み・手のしびれ
病気とけが
変形性頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症、頚椎症性脊髄症、頚椎捻挫(むちうち)、寝違え、肩こり、肩関節周囲炎(五十肩)、石灰沈着性腱板炎、上腕骨頸部骨折、肩腱板断裂、鎖骨骨折
主な疾患と外傷
1)変形性頚椎症
7つある頚椎という骨のいずれかが、加齢とともに、骨が変形して薄くなり、椎間板が出っ張り、骨のとげが形成される病気です。
変形が軽度なものは症状がないことも多く、病的とはいえないこともあります。
症状は、首、肩のこり,痛みが出ることがあり、進行すると、手のしびれやつまみ障害、歩行障害がでることがあります。
診断は、神経の症状をみる診察とレントゲン検査で行います。
詳細な検査として、MRI、CTを行うことがあります。
治療は、首、肩の痛み、こりや手のしびれに対して、日常生活で首の負担を軽くする工夫と安静、内服薬,外用薬、ブロック注射、温熱療法とストレッチ、筋力回復、可動域訓練などのリハビリテーションを行います。 変形性頚椎症の変形が進んで高度になり、脊柱管(頚椎の真ん中にある管)の中にある脊髄が圧迫されて症状が出現する病気を頚椎症性脊髄症といい、脊髄から分かれて上肢へ行く神経根が圧迫されて神経の症状が出現する病気を頚椎症性神経根症といいます。
2)頚椎椎間板ヘルニア
頚椎と頚椎との間にクッションの役目をする椎間板が、加齢、外傷、重労働などにより変性して、椎間板の中にある髄核が脊髄や神経根のある後方に脱出して圧迫する病気です。
症状は、頚部や肩の痛みやこり、手足のしびれで、進行すると、神経への圧迫の程度により、手足の筋力低下、感覚障害、歩行障害、排尿障害、箸の使いづらさ、ボタンのかけづらさが生じることがあります。
診断は、神経の症状を確認する診察とレントゲン検査で行います。
詳細な検査として、MRIを行うことがあります。
首を後ろや横にかたむけると腕や手に痛み、しびれが出現することがあります。
ヘルニアの脱出場所により、神経根症の場合や脊髄症の場合があります。
治療には頚椎の安静が必要で、場合によって頚椎固定装具を装着します。
また頚椎牽引や電気治療などのリハビリテーション、内服薬、外用薬、ブロック注射を行います。
症状が改善しない場合や下肢症状、排尿障害がある場合は手術療法を要することがあります。
3)頚椎症性神経根症
頚椎の加齢による椎間板の出っ張りや骨のとげにより、神経根が圧迫される病気です。
症状は、頚部、腕、肩の痛みやこり、腕と手のしびれがあり、首を後ろへ反らせると、頚部痛や手のしびれが増す特徴があります。
神経への圧迫の程度により腕や肩の筋力低下、感覚障害が生じます。
診断は神経の症状を確認する診察とレントゲン検査で行います。
詳細な検査として、MRI、CTを行うことがあります。
治療は、頚椎の安静が必要で、場合によって頚椎固定装具を装着します。
また内服薬、外用薬、ブロック注射、牽引療法やストレッチ、筋力回復などのリハビリテーションを行います。
症状が改善しない場合は手術療法を要することがあります。
4)頚椎症性脊髄症
頚椎が加齢とともに変形し、椎間板が出っ張り、靱帯が固くなり、骨のとげが形成されることで、脊柱管(頚椎の真ん中にある管)が狭窄されて脊髄が圧迫される病気です。
症状は、首、肩、腕の痛みや腕、手足のしびれだけでなく、進行すると、ボタンのはめ外し、お箸、書字が不自由になり、足がもつれるなどの歩行障害、排尿、排便障害などが生じることもあります。
診断は神経の症状を確認する診察とレントゲン検査で行います。
精密検査として、MRI、CYを行うことがあります。
治療は、頚椎の安静が必要で、場合によって頚椎固定装具を装着します。
また内服薬、外用薬、ブロック注射、リハビリテーションを行います。
神経の圧迫の程度や進行度により、手術療法を要することがあります。
5)頚椎捻挫(むちうち)
車の追突や衝突などの交通事故で、むちを打つように首に不自然な強い力が加わって生じる首の捻挫です。
むちうちとも呼ばれているようですが、これは正式な医学的傷病名ではありません。
正しくは頚椎捻挫、頚部挫傷、外傷性頚部症候群です。
診断では、レントゲン検査で骨の異常がないことや診察で神経の症状などがないことを確認します。
治療には頚椎の安静が必要で、場合によって頚椎固定装具を装着します。
また内服薬、外用薬、リハビリテーションを行います。
交通事故の保険を利用することが多いので、きちんと定期的診察をされることを勧めます。
6)寝違え
眠って目が覚めたときに気づく首の後ろや首から肩にかけての痛みをいわゆる寝違えといいます。
首を動かすと痛く,痛みで首を動かせない症状があります。
原因は、不自然な姿勢で寝たための筋肉の循環障害、前日に慣れない動きをしたための筋肉のけいれん、頸椎の後ろの関節の袋の炎症などが考えられています。
診断は、レントゲン検査では異常がないことと神経の症状がないことを確認します。
治療は、頚椎の安静が必要で、内服薬、外用薬処方を行い、約1週間かけて、ゆっくり無理ないように首を動かしていきます。
その後は、運動療法や電気治療などのリハビリテーションを行います。
しかし、他の病気がないことを確認する必要があるために、早めに整形外科専門医の診察を受けることをお勧め致します。
7)肩こり
首すじ、首の付け根、肩、背中などの痛み、はり、しこりが生じ、時に頭痛や吐き気を伴う病気です。
原因は、同じ姿勢を続ける、猫背、ストレス、運動不足、冷えなどによる僧帽筋などの首周囲の筋の疲労、循環障害と考えられています。
時に、頚椎疾患、肩関節疾患、その他内科系疾患などが原因のことがあるため、早めの整形外科専門医の診察が必要です。
診断は、僧帽筋の圧痛、筋緊張を確認し、神経の症状がないことやレントゲン検査で異常がないことを確認します。
詳細な検査として、他の病気の除外のためにMRIを行うことがあります。
治療は、無理ない日常生活の工夫、姿勢のチェック、体操、内服薬、外用薬、ブロック注射、温熱療法や運動療法などのリハビリテーションを行います。
当クリニックでは、再発予防のためのリハビリテーションも行っていますのでお気軽にご相談下さい。
8)肩関節周囲炎(五十肩)
40、50歳代以降、肩関節の老化が原因で、肩関節の周りが固くなり炎症が生じる病気です。
五十肩とも呼ばれているようですが、これは正式な医学的傷病名ではありません。正しくは肩関節周囲炎です。
症状は、肩から腕にかけて痛み、肩の動きが制限されます。
夜間の痛みが強く眠れないときや痛みのために服の着替えが不自由なことがあります。
そのまま様子を見ていると、肩が動かなくなり悪化することがありますので、早めに受診し、適切な治療を受けることをお勧め致します。
診断は、関節の痛みの部位や関節の動きの制限を見る診察とレントゲン検査で行います。
詳細な検査として、他の病気との判別に、MRIを行うことがあります。
治療は、痛みが強い急性期では、三角巾による安静、内服薬、外用薬、関節内注射を行います。 急性期を過ぎたら、加えて温熱療法、関節可動域訓練、筋力訓練、ストレッチなどのリハビリテーションを行います。
治療のためには、半年程度かかるともいわれています。
当クリニックでは、予防のためのリハビリテーションも行っていますのでお気軽にご相談下さい。
まれに、手術を要することもあります。
9)石灰沈着性腱板炎
肩を上げる腱(腱板)の内にリン酸カルシウム結晶(石灰)が付着し、夜間などに急に肩の痛みが生じ、肩が動かせなくなる病気です。
40、50歳代の女性に多い特徴がありますが男性にもみられます。
診断は、関節の痛みの部位や関節の動きの制限を見る診察とレントゲン検査で腱板に石灰が付着しているのを確認します。
詳細な検査として、他の病気との判別に、MRIなどを行うことがあります。
治療は、痛みが強い急性期では、三角巾による安静、内服薬、外用薬、関節内注射を行います。
急性期を過ぎたら、加えて温熱療法、関節可動域訓練、筋力訓練、ストレッチなどのリハビリテーションを行います。
腱板に針を刺して、付着した石灰を吸引して取り除くこともあります。
治療のためには、半年程度かかるともいわれています。
当クリニックでは、予防のためのリハビリテーションも行っていますのでお気軽にご相談下さい。
まれに、手術を要することもあります。
10)上腕骨頸部骨折
肩関節と肘関節の間の骨(上腕骨)の肩関節の近くの骨折で、上腕骨近位端骨折ともいいます。
ご高齢の方が転倒などのけがで生じることが多いです。
症状は、肩の痛み、はれ、痛みによる動きの制限があります。
診断は、痛みの部位の診察とレントゲン検査で骨折を確認します。
時々脱臼を伴うこともあります。
治療方法の選択のために、CTが有用です。
治療は、骨折のずれが軽い場合は、三角布、ギプス、体幹固定バンドを用います。
併行して,関節可動域訓練や筋力強化のリハビリテーションを行います。
骨折部がずれている場合は、手術を要することがあります。
11)肩腱板断裂
肩甲骨と腕の骨をつないでいる腱(腱板)が断裂する病気です。
50、60代以降の男性に多い特徴があります。
症状は、腕が上がらない、腕を上げる時に痛みやひっかかりを感じるなどがあり、夜間痛くて眠れない方も多いです。
原因は、転倒などの外傷に加え、腱板が老化で弱くなったことと、もともと腱板は骨と骨にはさまれ、動かすと擦れやすいことがいわれています。
診察は、腕が上がらないこと、上げた時に引っかかりの音がすること、肩甲骨部の筋肉がやせていることを診察で確認し,レントゲン検査で肩甲骨と腕の骨との隙間が狭いことを確認します。
詳細な検査として、MRIで腱板の断裂を確認します。
治療は、三角巾による安静、内服薬、外用薬、関節内注射、関節可動域訓練、筋力訓練、ストレッチなどのリハビリテーションを行います。
断裂部が完全に治癒することはありませんが、70%は手術しない方法で軽快します。
肩の痛みや動きが改善しない場合は、手術を行うことがあります。
12)鎖骨骨折
鎖骨骨折は、転倒して肩や腕に外力が加わって生じることが多い骨折です。
骨折すると、内側の骨が上方へ、外側の骨が下方にずれます。
症状は、骨折部のはれ、痛み、腕や肩を動かせないことです。
診断は、痛みの部位を見る診察とレントゲン検査で骨折を確認します。
詳細な検査として、CTで骨折を確認することもあります。
治療は、一般的には手術をしない方法で行います。
特に、小児は原則的に8字包帯固定や専用の鎖骨バンドで固定します。
成人も、鎖骨バンドと三角巾で固定しますが、骨折部が大きくずれている場合、粉砕が強い場合、骨がつかない場合(偽関節)は手術療法を要することがあります。
鎖骨骨折は、他の骨と比較して骨のつきが悪く、骨癒合まで時間がかかるといわれています。